Classiques japonais avec furigana
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がくせいものがたり
楽聖物語
野村 あらえびす
Lisez 楽聖物語 (がくせいものがたり) de 野村 あらえびす (のむらあらえびす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 193 667 caractères · 381 écrans
を引き出し、月の光をたよりに、六か月もかかって、兄の所蔵する作曲集をことごとく筆写してしまった。後年バッハが両眼の明を失ったのは、この少年時代の無分別な視力の濫費に原因するとさえ言われている。
兄のクリストフは、末弟のこの出過ぎた向上心を許しはしなかった。夥しい楽譜の筆写を発見すると、小弟の手からそれを取り上げて、六か月の苦心の結果を火に投じてしまったのである。しかしこのやかましい兄の許における五年間のオールドルフの生活は、彼の作曲の才能の芽生えにはよき温床であった。
十五歳のとき、少年バッハは早くも職を求めてリュウネブルクの聖ミハエリス教会の合唱隊に入らなければならなかった。彼の美しいボーイ・ソプラノは、二年間の確固たる地位を約束したばかりでなく、教会付属学校の図書室には、ドイツ、オランダ、イタリーの傑作曲楽譜が夥しく用意され、彼の飽くなき知識欲に資したことは、なんという幸せであったことであろう。それよりも、少年バッハを夢中にさせたのは、オルガンという楽器に親しむ機会であった。バッハには二十五歳の年長ではあったが、有名なゲオルク・ベームは聖ヨハネ教会の風琴手で、バッハと年齢の隔りを超えて良き知己であり、ベームの師にしてオランダの名風琴手ヤン・アダム・ラインケンは、三十マイルを隔てて、ハンブルクにおり、