Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lisez 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 573 caractères · 178 écrans

Aozora Bunko

竿の末端に厳く縛った鰻針の逞しいのに、何やら黒い巾の千切れたのが引っ掛って、少しばかりですが、血さえ付いて居るではありませんか。

「親分、これは?」

「曲者の着物だよ、――少し釣針で引っ掻いたかも知れない。直ぐ行って見よう」

「何処です、親分」

「色の褪めた墨染の木綿を来て居る人間は土手に一人しか居ない筈だ」

「あッ、あの乞食坊主?」

平次と八五郎と勘六は、疾風の如く土手を引返しました。何んにも知らずに、菰の上で鉦を叩いていた乞食坊主の鑑哲は、大骨を折らせ乍らも、三人の手で取って押えられました。

「親分、聴いて下さい。私は逃げも隠れもしません――これには深いわけがある」

縄を掛けられ乍ら、乞食坊主の鑑哲は声を絞りました。

「よし、そのわけは俺も聞き度い、此処で言うが宜い」

勘六の家へ引立てて来ると、平次は此坊主の言い分を聴いて見度くなったのです。

「私はこれでも武士の端くれだ。が、二本差がいやになって、こんな姿になってしまったのだ。そのわけは、主人筋の青江備前守に、娘を人身御供同様の妾に取上げられ、二年経たないうちに、気に入らない事があると言って、なぶり殺しにされてしまったからだ。