Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans

Aozora Bunko

「だが、あの少年は、なかなかはしっこい子供だったから、うまく家へ逃げかえったんじゃないかしら。どうです、千葉へ電話をかけてみては」

と、佐々刑事ひとりが、元気よくいろいろとしゃべる。

課長は、相変らず、頬杖をついたまま、動こうともしない。

「どうです、課長。千葉へ電話をかけては……」

佐々は、課長を元気づけたいと思っているようで、机の前から半身を乗出して、課長の顔をのぞきこんだ。

大江山課長は、はっきりしない顔つきのままで、唇だけを動かした。

「それは、だめだ」

「課長、なぜだめです。この名案が……」

「名案?」課長は、じろりと上目で佐々の顔を見て、

「そんな名案があるものか。佐々、お前は、まだライスカレーの食い方が足りないらしいぞ」

「ははあ、ライスカレーですか。はははは」

と、佐々は、とってつけたように笑い出した。佐々お得意のライスカレーのことを、課長が言ったので笑い出したわけであるが、佐々としては、ここで大いに笑って、課長を元気づけたい一心だった。

だが、課長は、佐々の笑いにつられて、笑い出しはしなかった。

「そうじゃないか。なぜと言えば、もし千二が朝のうちにこの留置場から出ていったものとすれば、お昼すぎには千葉の家へかえりついているはずだ。