Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans

Aozora Bunko

「うん。だから私は、こう考えてみた。とにかく、この自動車に乗っていた人間は、生きていると思う」

「えっ、生きている。まさか――」

佐々刑事は、あまりのことに、あいた口がふさがらないといった形だった。

「課長、あなたのおっしゃることの方が、変ですねえ。あのとおり、高い崖の上から自動車が、ここへおちたのですよ。たとえ、ガソリンに火がつかなくとも、人間は脳震盪かなんかを起して、死んでしまうはずです。生ているなんてことは、考えられませんなあ」

そう言って、佐々刑事は、課長の顔を、じっとのぞきこんだ。課長は、どうかしているのではないかと思ったのである。

「だが、佐々。骨が一本も見あたらないのだから、私は、乗っていた人間が、ここで焼け死んだとは思われない」

「だって、課長、――」

「もちろん、私にも、あの高い崖の上から人間が落ちて、それで、命が助るものとは考えない。しかし、骨が一本も見当らないのだから、崖からおちた人間は、命が助って、どこかへいってしまったとしか考えられないのだよ。不思議というほかない」

「そんな無茶な考えはないですよ、課長。崖の上からおちた人間が、命を全うしたばかりか、そのままどこかへ行ってしまったというのは」