Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans

Aozora Bunko

「さあ、今のうちだ」

新田先生は、蟻田博士の机から、鍵を取出すと、いそいで廊下へ飛出した。その奥には、博士が秘密にしている部屋がある。

恩師の秘密にしている部屋を、その許もなくて、ぬすんだ鍵であけてはいるなんて、けっしていいことではなかった。しかし、ぜひともそれをしなければ、気のすまない新田先生であった。

先生には、一つの信念があったのである。それは、秘密室へしのびこむのは、悪いことではないと信じていたのだ。なぜならば自分だけがとくをするために、むやみに他人の秘密室にはいるのは、どろぼうみたいなものである。しかし新田先生は、自分だけのとくを考えているのではない。そうすることによって、地球の全人類を、だんだん迫って来た大危難から救う道を発見したいのであった。どろぼうみたいなまねをするにはちがいないが、その気持は実に正しく、そうして尊いものであった。

「さあ、この鍵で、この部屋があくはずだ。どうかあいてくれますように」

先生は、心の中で祈りながら、秘密室の鍵穴に鍵を入れてまわした。

すると、がちゃりと錠のはずれる音がした。

「しめた!」

先生は、喜びの声もろとも扉をおして、中へ飛込んだ。