Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans

Aozora Bunko

しかし、先生とて総監や課長の苦しい胸の中を察しないではなかった。

火星兵団の先遣隊を討伐に向かった決死警官隊は、どれもこれも、ひどい損害をこうむり、本庁には次々に、全滅の報告が舞いこんだ。

東京市内の警戒のため、夜通し町の辻に立って、任務をつづけている大江山課長は、その報告がやって来るたびに、さらに顔を暗くした。

新田先生は、いつも課長のそばについていたが、課長の苦しそうな表情を見るにつけて、先生もまただんだん苦しくなって来た。

(これは、こんなことをしていたのではいけない。何とか、ここで我々がもりかえさなければ……)

先生は、どうしたらよいかとそれを考えたが、すぐに名案も浮かんで来ない。

「ねえ、新田さん。せめて佐々刑事に連絡をとる方法がないものかねえ」

「さあ、困りましたな」

と、先生は首を振って、

「もう佐々さんが、山から下りて来てもいいころなんですが、何をしているのでしょうね」

新田先生は、佐々刑事が火星のボートに乗って、宇宙にとび出したことを知らない。先生が知らないくらいだから、大江山課長が知るはずがない。

「では、もう一度、私が山へ上ってみましょうか」