Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
そうしておいて――それではやはり家の方が留守になりがちで困るから、いっそ家へ入れたらということに、僕がうまく親類や子分に運動するんだよ。」
倉持は言うのであった。
一粒きりの家の相続人であり、母の唯一の頼りである倉持のことだから、それも事によると巧く行かないとも限らないとは思いながらも、銀子はその気になれなかった。
「妾だわね。」
「いや、そういう意味じゃないよ。結婚の一つの道程だよ。」
「あたし貴方の家の財産や門閥は、どうでもいいのよ。妾が嫌いなのよ。私をそうやっておいて、どこかのお嬢さんと結婚するに決まっているわ。きっとそうよ。貴方がそのつもりでなくても、そうなります。いやだわそんなの。」
「僕を信用しないのかな。」
倉持は頭を掻き、話はそれぎりになった。
世間見ずの銀子もお神がそれとなく暗示する通り、身分の不釣合ということを考えないわけではなかったが、彼女たちの育って来た環境が、産まれながらに、複雑な階級の差別感を植えつける余裕も機縁もなく、大して僻んだり羨んだりもしない代りに、卑下もしないのだった。俄成金は時に方図もない札びらを切り、千金のダイヤも硝子玉ほどにも光を放たないのであった。