Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
郷愁
一
「お父さんとお銀ちゃんの稼ぎじゃ、やっと米代だけだよ。お菜代がどうしたって出やしないんだからな。」
母は言い言いした。
父母の別れ話が、またしても持ちあがり、三人ずつ手分けして、上州と越後へ引きあげることになったところで、銀子はある日また浅草の桂庵を訪れた。
郷愁
一
「おじさん私また出るわ。少しお金がほしいんだけど、どこかある?」
いくら稼いでも追いつかない靴の仕事を棄て年の暮に銀子はまたしても桂庵を訪れた。早急の場合仮に越して来た請地では店も張れず、どこか商いの利く処に一軒、権利を買わせるのにも相当の金が必要だった。
「いくらくらいいるんだ。」
「千二三百円ほしんだけれど。」
「芳町の姐さんとこどうだろう。この間もあの子どうしたかって聞いていたから、もっとも金嵩が少し上がるから、どうかとは思うがね。」
「そうね。」
銀子は田舎でしばしば聞いていた通り、一番稼ぎの劇しいのが東京で、体がたまらないということをよく知っていた。それにそのころの千円も安い方ではなかった。こうした場合かかる大衆の父母たるものの心理では良人へのまたは妻への愛情と子供への愛情とは、生存の必要上おのずからなる軽重があり、子供が喰われるのに不思議はなく、苦難は年上の銀子が背負う以上、東京がいいとか田舎がいやだとか、言ってはいられなかった。