Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
七
目のくりくりした丸顔で、玉も撞くし映画も見るが、浪曲は何よりも好きで、機嫌のいい時は楽燕張りの節廻しで、独りで南部坂を唸ったりしていた。
銀子は秋に披露目をしたのだったが、姐さんたちに引き廻されているうちに、少しずつ座敷の様子がわかり、客の取做しもこなれて来て、座敷は忙しい方だったが、ある晩医専の連中に呼ばれて、もう冬の寒い時だったので、狐拳で負けるたびに、帯留め、帯揚げ、帯と一枚々々剥がされ、次ぎには罰杯のコップ酒を強いられ、正体もなくへとへとに酔って帰ったことがあったが、家の閾を跨ぐ途端一度に酔いが発して、上がり口の廊下に崩れてしまった。
やがて銀子は親爺の両手に抱かれ、二階の四畳に寝かされたが、翌朝目がさめても、座敷を貰った後のことは、何一つ覚えがなかった。
七
朝目のさめた銀子の牡丹は、頭脳の蕊がしんしん痛んだ。三味線に囃されてちょんぬけをやり、裸になる代りに酒を呑まされ、へべれけになって座敷を出たまでは覚えているが、帰ってから二階で親爺に介抱されたような気もするが、あのくりくりした目で見ていられたようにも思われ、それが幻覚であったようにも思われた。