Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
十六
「晴ちゃん、すみませんが、今夜は一つ私に附き合って下さい。姐さんにも通しておきましたから、どうかそのつもりでね。皆さんもお呼びしておきました。たまにはいいでしょう。」
やがてはねるころになって、瀬川は土産物などを棧敷へ持ちこみ、銀子が独りでいるところを見て、にやにやしながら私語いた。
十六
芝居の帰りに、銀子は梅園横丁でお神に別れ、「いやな奴」と思いながら、ほかの妓も行っているというので、教えられた通り、大川端に近い浜町の待合へ行ってみた。その時間には若林の来る心配もなかった。彼は病気あがりの銀子が、座敷へ現われるようになってから、またひとしきり頻繁に足を運ぶのだったが、ちょうどそのころ経済界に恐慌があり、破産する店もあり、彼も痛手を負い、遊んでも顔色が冴えず座敷がぱっとしなかった。銀子も傍で電話を聞きつけていたので、緊張したその表情がわかり、喰いこんだ時の苦悩の色がつくづくいやだった。
「一生株屋なんか亭主にするものじゃない。」
彼女は思った。
ある時銀子は藤川のお神にちょっとお出でと下へ呼ばれ、若林の傍を離れて居間へ行くと、お神は少しあらたまった態度で、