Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
」
「それなら結構ですがね。住替えもいいけれど、借金が殖えるばかりだから、まあなるべくなら辛抱した方がよござんすよ。」
「そうだわね。」
「それとも何か岡惚れでも出来たというわけですかね。」
「あらお師匠さん、飛んでもない。」
「それにしても何だか変ですよ、もしかして人にも言えない心配事でもあるんだったら、私いいこと教えてあげますよ。」
「どんなことですの。」
「日比谷に桜田赤龍子という、人相の名人があるんですがね、実によく中りますよ。何しろぴたりと前へ坐ったばかりで、その人の運勢がすっかりわかるんですからね。その代り見料は少し高ござんすよ。」
「そう。」
「瞞されたと思って行ってごらんなさい。」
お梅さんはそう言って、道順を丁寧に教えるのだった。
銀子も心が動き、帰って春次に話してみた。
「人相なんて中るもの?」
「中るね。他のへっぽこ占ないは駄目よ。見てもらうのなら、桜田さんとこへ行ってごらんなさい。私が保証するから。」
そういう春次も信者の一人であり、その人相見の予言のとおりに、過去はもちろん現在の彼女の運命が在るのであった。
翌朝銀子は朝の十時ごろに家を出て、築地まわりの電車で行ってみた。