Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
「貴女も酔っているから、お帰んなさい。」
と手を取って引き起こそうとしたが、染福はそれを振り払い、
「いいわよ。私何も有りもしないことを言ってるんじゃないんだから。」
「それは貴女の誤解だよ。後で話せば解ることだよ。もういいからお帰んなさい。」
春次が引き立てるので、銀子もどうせ暴露ついでだと思い、
「帰れ、帰れ。」
と目に涙をためて叫んだ。
しかしその時に限らず、ちょうどその五六日前にも、銀子たちは三台の車に分乗し、伊沢も仲間入りして、春よしのお神に引率され、羽田の穴守へ恵方詣りに行き、どうかした拍子に、銀子は春次と一緒に乗っている伊沢の車に割り込み、染福が一人乗りおくれてまごまごしているのを見たが、穴守へついてからも、染福の銀子を見る目が嶮しく光り、銀子は何のこととも解らず、謎を釈くのに苦しんだが、深く気にも留めず、帰りは一台の車にタイヤのパンクがあり、いっそ三台とも乗りすてて、川崎から省線で帰ることにしたのだったが、松の内のことで、彼女たちは揃って出の支度であり、縁起ものの稲穂の前插しなどかざして、しこたま買いこんだ繭玉や達磨などをてんでにぶら下げ、行きがけの車に持ち込んだウイスキーと、穴守のお茶屋で呑んだ酒にいい加減酔っていたので、染福は何かというと銀子に絡んで来るのだった。