Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans

Aozora Bunko

けど駄目らしいの。やっぱり上海へ引き取るらしいわ。それがあの人たちの運命なら仕方がないと思うわ。」

丸ビルの千疋屋で苺クレイムを食べながら、葉子は涙ぐんでいた。

しかし一日二日たつと、そんな感傷もいつか消し飛んでしまって、葉子はその金でせめて箪笥でも買いに行こうと庸三を促した。

「ねえ先生、私なんにもなくて不自由で仕様がないでしょう。お宅にいてもお茶もらいのように思われるのいやなの。松川さんのお金で箪笥と鏡だけ買いたいと思いますから、一緒に来て見てくれられない?」

二人はこのごろよく一緒に歩く通りから、切通しの方へおりて行った。そして仲通りで彼の金持の友人の買いつけの店へ誘って見た。手炙り、卓、茶棚など桑や桐で指された凝った好みの道具がそこにぎっしり詰まっていた。葉子は桑と塗物の二つか三つある中から、かなり上等な桑の鏡台を買ったが、そこの紹介で大通りの店で箪笥も一棹買った。二百円余り手がついたわけだったが、今の葉子には少しはずみすぎる感じでもあった。まだどこかに薄い陰のある四月の日を浴びながら、二人は池の畔をまわって、東照宮の段々を上って行った。葉子は絶えず何か話していたが、人気の少ない場所へ来ると、どうかした拍子に加世子の噂が出て、それから彼女は押しくら饅頭をしながら、庸三を冷やかしづめだったが、その言葉