Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
この水辺の意気造りの家も、水があるだけに、来たてにはひどく感じがよかったが、だんだん来つけてみると、彼女の前生活を語るようなもろもろの道具――例えば二十五人の人夫の手で据えつけたという、日本へ渡って来た最大の独逸製金庫の二つのうちの一つだという金庫なぞがそれで、何かそこらの有閑マダムのような雰囲気ではあったが、室内の装飾などは、何といってもあまり感じのいいものではなかった。
「そのうち追々取り換えるんだね。」
庸三は窓際に臥そべっていた。小夜子も彼の頭とほとんど垂直に顔をもって来て、そこに長くなっていた。そうして話していると、彼女の目に何か異様な凄いものが走るのであった。
「私芝にいた時、ちょうど先生にお目にかかった時分、こういうことがあったんです。」
小夜子は語るのであった。
「ある人がね、私は麹町の屋敷を出たばかりで、方針もまだ決まらない時分なの。するとその人がね、君ももう三十を過ぎて、いろんなことをやって来ている。鯛でいえば舐りかすのあらみたいなもんだから、いい加減見切りをつけて、安く売ったらいいだろうって、私に五百円おいて行ったものなの。」
「それが君のペトロンなの。