Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans

Aozora Bunko

ここは見えもないので、庸三はほんの少しばかり食べものを通したきりであった。葉子はそわそわ落ち着かなかった。

「権藤さんいやな人! 何か私たちの生活を内偵しにでも来たように、それは横柄な態度なのよ。」

庸三は狡そうにただ笑っていた。

「私たちのことは、当分新聞社へ何もお話しにならないようにね。」

「それは僕もそのつもりで……。」

「あの兄さんと言っても、従兄ですけれど――黒須という人がいるのよ。もと外務省畑の人で、今は政党関係の人らしいわ。乾分も多勢あるらしいの。でも立派な紳士よ。その人が園田家のことは、何でも相談に乗っているという関係から、今度のこともその人が引き受けてくれているの。いずれ時機を見てお父さんにも承諾させるが、差し当たり牛込にある家が売れると、そのうちの一万か二万かの金をそっと融通するから、当分それで家庭をもつようにしようと、そう言ってくれるのよ。その人、奥さんと鵠沼にいますけれど、ちょっといい暮しよ。奥さんも教養のある人よ。」

庸三の耳には、あまり愉快にも響かなかったが、葉子がそうした落着き場所を得たことは、悪い気持ではなかった。

「素敵だな。