Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
「先生霊枝さんと何かありゃしない。」
「笑談じゃない、何もないよ。」
「そう。」
葉子も頷いたが、田端へ引っ越したのも、まだ本当に切れていない雪枝から、完全に清川を奪い取るためだことは、庸三も気がついていなかったので、葉子の質問が、それを庸三が知っているのではないかという不安から来たものだということも知るはずはなかった。
「あの人も可哀そうよ。番町にいる時、私一度飛び出したことがあるの。先生の処へ行こうと思って、濠端の電車に乗ったら、あの人も追い駈けて来たので、水道橋で降りててくてく真砂町の方へ歩いて行ったの。そうするとあの人も見え隠れに後からついて来て、あの辺の横町でしばらく鼬鼠ごっこしているうちに、諦めて帰って行ったものなの。私よほど赤門前の自動で先生へお電話しようと思ったんですけれど、そうなると先生の家の雰囲気がふっと浮かんで来たりして、急いで番町へ引っ返したものなの。あの人はいなかったけれど、やがて帰って来て私を見ると、赭靴のまんま上がって来ていきなり私に飛びついて泣いたのよ。阿母さんとこへ寄って泣いて来たらしいの。」
「お株がはじまったわけだ。