Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lisez 黒田如水 (くろだじょすい) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 639 caractères · 325 écrans
垢は襟につみ、顔は真っ黒に焦け、眼のくぼの肉すら薄くなっている。今は誰が見ても、小寺家の重臣ともその郎党とも思わなかった。家伝の「玲珠膏」を売り歩く旅の汚き男どもとしか見えない。
「どうだ、久左衛門。この城下の繁昌さは。いや活気というものは」
「えらい勢いでございますな。道行く人の眼いろ、足どりまでが、中国とはちがっております」
「そうかといって、市に集まる物資を見ても、町の文化を一眄しても、物の豊かな点とか民度の高いことでは、西国の諸城市や港々のほうが、ずんと優れておるのだが」
「何かしら、このように、燃ゆるようなものが、中国にはございませんな」
「保守的な毛利家の方針が自ら現われている西方と、革新脱殻の意気に燃えている東方との相違だ。これをもって、時代をうごかしてゆく中心の力が、いずれに在るかは明瞭ではないか」
歩きながら官兵衛はよく語った。またよく事物を観察していた。そして道ゆく者が近づくとすぐ口を緘むのであった。人目に対して装うことに主従はいつか熟練していた。
「ところで、信長様へお会い遊ばすには、どなたか、織田家の宿老中でも、もっとも信長様のご信任篤いお方を介して、お目通りを願い出られるのが、上策ではございますまいか」