Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lisez 黒田如水 (くろだじょすい) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 639 caractères · 325 écrans
二
衣笠久左衛門は、この目的地に入ると、主人の官兵衛には、すぐにも岐阜城へ上るものと考えていたらしかった。けれど官兵衛は、鍛冶屋町のうす汚い木賃に宿をとって、着いた日も、その翌日も、目薬を商いながら町ばかり歩いていた。
「むむ。……大きに其方の申すとおりだ。織田家のうちには、わしの父や母方の縁故をたどれば、顔を知らぬまでも、訪ねて参ればわかる程度の知人は満更ないこともない。けれど、初めが大事だからなあ。わけて問題は大きい。生半可な人物を仲に介するほどならないほうがよい」
「いま織田家のうちで重きをなしている方々といえば――まず林佐渡守どの、佐久間信盛どの、森可成どの」
「柴田勝家、滝川一益、丹羽五郎左、池田信輝」
「まだありますな。前田どの、明智どの、羽柴どの」
五指のひとつひとつを折って来ながら彼が、羽柴どの――といったとき、官兵衛はその頭をひとり大きく振りうごかして、
「何たる暑さだ。岐阜も暑いなあ。きょうの商いは、これだけにしておこう」
と辻を曲って、鍛冶屋町の木賃へその日も帰ってしまった。
二
鍛冶、染物、皮革などの職人のみが多く住んでいる裏町の一劃は、鞴の赤い火や、鎚の音や、働くものの喚きなどで、夜も日もあったものではない。