Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lisez 黒田如水 (くろだじょすい) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 639 caractères · 325 écrans
老いざる隠居
一
けれど、うすい朝陽をうけている紫の房からこぼれてくる匂いは、官兵衛の面を酔うばかりつよく襲ってくる。彼は仰向いたまま、白痴のように口をあいて恍惚としていた。
「……吉瑞だ」
いきなり彼は叫んだ。跳び上がる体力もないが、跳び上がった以上の衝動を満身に覚えた。めずらしく彼の額に血のいろが映えた。
「獄中に藤の花が咲くなどということは、あり得ないことだ。漢土の話にもこの日本でも聞いた例しがない。……死ぬなよ。待てば咲くぞ、という天の啓示。そうだ天の啓示だ」
彼は、掌を合わせて、藤の花を拝んだ。その袖口から虱も這い出て、かすかな朝陽の影と、藤のにおいに、遊びまわっていた。
老いざる隠居
一
いろいろな意味で、彼の奇禍は世上に大きな波紋を投げた。たった今まで、天下の活舞台に飛躍していた立役者であっただけに、忽然たるその姿の陥没には、世間の疑惑も無理ならぬものがあった。
しかし何といっても、もっとも大きな驚愕をうけたのは、官兵衛の郷党とその生家たる姫路城の人だった。わけても年老いた彼の父宗円であり、まだうら若い官兵衛の妻であった。
「虫の知らせであったか、あの日のお別れにかぎって、日ごろのたしなみものうお叱りを覚悟のまえで、お城下端れの並木までよそながらお見送りに出たが……そのときのお顔の色も……ご容子も……いま思えば、ただ