Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

Lisez 黒田如水 (くろだじょすい) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 639 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

藤の枝

一

この内においで遊ばすのは、姫路の官兵衛さまではいらっしゃいませぬか。……お顔なりと、お姿の端なりと、お見せください。官兵衛さま」

綿々と、さけぶに似たその声は、夜風のあいだに断続する。官兵衛は、のけ反らんばかり怪しんだ。

「……やっ? 女の声だ、女の声にちがいないが」

彼には、思いあたるものがない、やはりこうして、夢ではないと思ってしている事が、夢ではないかといぶかられるのだった。

藤の枝

一

――仰ぐ窓辺の、藤の枝が揺れている。いや答えてくれる。

お菊は、牢獄のうちの人へ、自分の訪れが、正しく受け取られたものとして、一そう体じゅうの血を熱くした。

「官兵衛さま、官兵衛さま。かならず近いうちに姫路のご家臣衆が、お救いを計るでございましょう。それまでは、どんな事がありましょうとも、望みなき身と、おみずからを逸まっておあきらめ遊ばしませぬように」

彼女はそんな意味のことを、絶え絶えに口走っては、藤蔓の揺れるのを見上げていた。

獄内の官兵衛の耳に、それが明らかに届いているやどうかは疑われながらも、なお叫ばずにはいられなかった。

すると彼女のすぐ後ろで、いやほとんど足下で、蛙でも跳んだように、池の水が小さい水音をたてた。