Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

「井かね、井は直ぐ其裏にあるだよ、それ其処をそう往ってもえゝ、彼方へ廻ってもいかれるだ」辰爺さんが顋でしゃくる。

美的百姓は木臼に腰かけたまゝ、所在なさに手近にある大麦の穂を摘んでは、掌で籾を摺って噛って居る。不図気がつくと、納屋の檐下には、小麦も大麦も刈入れた束のまゝまだ扱きもせずに入れてある。他所では最早棒打も済んだ家もある。此家の主人の病気が、如何に此家の機関を停止して居たかが分かる。美的百姓も、黯い気分になった。此家の若主人に妻君があったか如何か、と辰爺さんに尋ねて見た。

「まだ何もありませんや。ソラ、去年の暮に帰って来たばかりだからね」

然だ。若主人は二年の兵役にとられて、去年の十二月初やっと帰って来たのであった。一人息子だったので、彼を兵役に出したあと、五十を越した主人は分外に働かねばならなかった。彼の心臓病は或は此無理の労働の結果であったかも知れぬ。尤も随分酒は飲んで居た。故人は村の兵事係であった。一人子でも、兵役に出すは国家に対する義務ですからと、毎に云うて居た。若主人の留守中、彼の手助けは若い作男であった。故人は其作代が甲斐々々しく骨身を惜まず働く事を人毎に誉めて居た。