Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

米国からは、あまり乗気でもないが、来るなら紐育ブルックリンの看護婦学校に口があると知らして来た。彼女の師外川先生も、自身新英蘭で一時白痴院の看護手をしたことがあると云うて、彼女の渡米に賛同した。お馨さんは母の愛女であった。母は愛女の為に其望を遂げさすべく骨折る事を諾した。彼女の長兄は、其母を悦ばす可く陰に陽に骨折る事を妹に約した。残る所は彼女の父の承諾だけであった。彼女の父は田舎の平相国清盛として、其小帝国内に猛威を振うている。彼女と葛城の縁談も、中に立って色々骨折る人があったが、彼女の父は断じて許さなかった。葛城の人物よりも其無資産を慮ったのである。葛城の母、兄姉も皆お馨さんの渡米には不賛成であった。葛城の勉強の邪魔になると謂うた。静かにこゝで勉強して葛城の帰朝を待てと勧めた。然しお馨さんは如何しても思い止まることが出来なかった。それに、日本に愚図々々して居れば、心に染まぬ結婚を父に強いられる恐れがあった。

斯様な事情と彼女の切なる心情を見聞する粕谷の夫妻は、打捨てゝ置く訳に行かなかった。葛城が家族の反対に関せず、何を措いても彼女の父の結婚及渡米の許諾を獲べく、単刀直入桶狭間の本陣に斬込まねばならぬと考えた。