Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

岩畳な彼を容るゝその家は、基礎を切石にし、柱の数を多くし、屋根をトタンで包み、縁を欅で張り、木造の鬼の窟の如く岩畳である。彼に属する一切のものは、其堅牢な意志の発現である。彼が家の子女は何処の子女よりも岩畳である。彼の家の黒猫は、小さな犬より大きく、村内の如何なる猫も其威に恐れぬものは無い。彼が家の麦からの束は、他家の二倍もある。彼が家の夜具は、宇都宮の釣天井程に重く大きなものだ。彼が家の婆さんは、七十過ぎて元気おさ/\若者を凌ぐ婆さんである。婆さんの曰く、私の家は信心なんざしませんや。正に其通り、与右衛門さんは神仏なんか信ずる様な事はせぬ、徹頭徹尾自力宗の信者である。遠い神仏を信心するでもなければ、近所隣の思惑や評判を気にするでもなく、流行とか外聞とかつき合とか云うことは、一切禁物で、恃む所は自家の頭と腕、目ざすものは金である。与右衛門さんには道楽と云うものが無いが、金と酒は生命にかけて好きである。家で晩酌に飲み、村の集会で飲み、有権者だけに衆議院議員の選挙振舞で飲み、どうやらすると昼日中おかず媼さんの小店で一人で飲んで真赤な上機嫌になって、笑って無暗にお辞義をしたり、管を巻いたり、気焔を吐いたりして居ることがある。