Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
千歳村五百五十戸の中、小作が六割にも上って居る。大面積の寺院墓地が出来て耕地減少の結果、小作料は自然騰貴する。小作料の騰貴はまだ可いが、中には小作地が不足して住み馴れた村にも住めなくなり、東京に流れ込んだり、悪くすると法律の罪人が出来たりする。それから寺院墓地は免租地だから、結局村税の負担が増加する。何も千歳村の活気ある耕地を潰さず共、電車で五分間乃至十分も西に走れば、適当の山林地などが沢山あって、其辺の者は墓地を歓迎して居る。其方へ行けばよいじゃないか。反対の理由は、ざっと右の通りだ。尤も中に多少の魂胆もあろうが、大部分は本当に土に生き土に死ぬ自作農の土に対する愛着からである。変化を喜び刺戟に生きる都会人には、土に対する本当の農の執着の意味は中々解せない。真の農にとって、土はたゞの財産ではない、生命其のものである。祖先伝来一切の生命の蓄積して居る土は、其一塊も肉の一片血の一滴である。農から土を奪うは、霊魂から肉体を奪うのである。換言すれば死ねと云うのである。農を斯土から彼土に移すのは、霊魂の宿換を命ずるのである。其多くは死ぬるのである。農も死なゝければならぬ場合はある。