Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
田舎者は田舎者らしく徒歩主義を執らねばならぬと考えた。彼も妻も低い下駄、草鞋、ある時は高足駄をはいて三里の路を往復した。しば/\暁かけて握飯食い/\出かけ、ブラ提灯を便りに夜晩く帰ったりした。丸の内三菱が原で、大きな煉瓦の建物を前に、草原に足投げ出して、悠々と握飯食った時、彼は実際好い気もちであった。彼は好んで田舎を東京にひけらかした。何時も着のみ着のまゝで東京に出た。一貫目余の筍を二本担って往ったり、よく野茨の花や、白いエゴの花、野菊や花薄を道々折っては、親類へのみやげにした。親類の女子供も、稀に遊びに来ては甘藷を洗ったり、外竈を焚いて見たり、実地の飯事を面白がったが、然し東京の玄関から下駄ばきで尻からげ、やっとこさに荷物脊負うて立出る田舎の叔父の姿を見送っては、都の子女として至って平民的な彼等も流石に羞かしそうな笑止な顔をした。
彼は田舎を都にひけらかすと共に、東京を田舎にひけらかす前に先ず田舎を田舎にひけらかした。彼は一切の角を隠して、周囲に同化す可く努めた。彼はあらゆる村の集会に出た。諸君が廉酒を飲む時、彼は肴の沢庵をつまんだ。葬式に出ては、「諸行無常」