Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
一町二反余の地主で、文筆による所得税を納めるので、私も今は衆議院議員選挙権の所有者です。已に一回投票というものをして見ました。それは兎に角私も粕谷の住人としてもう新参ではありません。住居の雅名が欲しくなったので、私の「新春」が出た大正七年に恒春園と命名しました。台湾の南端に恒春と云う地名があります。其恒春に私共の農園があるという評判がある時立って其処に人を使うてくれぬかとある人から頼まれた事があります。思もかけない事でしたが、縁喜が好いので、一つは「永久に若い」意味をこめて、台湾ならぬ粕谷の私共の住居を恒春園と名づけたのであります。恒春園は荒れました。四千坪の大部分は樹木と萱、雑草で、畑は一反足らずです。外遊中は人気がないので野兎が安心して園に巣をつくりました。此頃ではペン多忙で、滅多に鍬は取りません。少しばかりの野菜は、懇意な農家に頼んで居ます。金になると云う上からは、恒春園は零です。毎年堆肥温床用の落葉を四円に売ります。四千坪の年収が金四円です。庭園は荒れに荒れ、家も大分ふるびて、雨漏りがします。明治四十二年の春に買った一棟なぞは、萱沢山の厚さ二尺程にも屋根を葺いて、一生大丈夫の気で居ましたら、何時しか木蔭から腐って、骨が出ました。