Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
「斯様な家から葬式を出してもらうなんて、殿様だって出来ねえ事だ」と皆が文ちゃんの孝行をほめました。「腫物」に出た石山の婆さんも本家で亡くなりました。それは大正七年でしたが、其前年の暮に「腫物」の女主人公、莫連お広も亡くなりました。お広さんは石山新家を奇麗に潰して了うた後、馴染の親分と東京に往って居ました。「草とりしても、東京ではおやつに餅菓子が出るよ」なんか村の者に自慢して居ました。其内親分がある寡家に入り浸りになって、お広さんが其処に泣きわめきの幕を出したり、かかり子の亥之吉が盲唖学校を卒業して一本立になっても母親を構いつけなかったり、お広さんの末路は大分困難になって来ました。金に窮すると、石山家に来ては、石山さんの所謂『四両五両といたぶって』行きました。到頭腎臓が悪くなり、水腫が出て、調布在の実家で死にました。死ぬまで大きな声で話したりして、見舞に往った天理教信者のおかず媼さんを驚かしたものです。離縁になってなかったので、お広さんの体は矢張石山さんが引取って、こっそり隣の墓地に葬りました。葬式の翌日往って見ると、新しい土饅頭の前に剥げ膳が据えられ、茶碗の水には落葉が二枚浮いて居ました。