Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
明治十四五年まで此札幌の附近にまだ熊が出没したと思えば、北海道も開けたものである。宮部博士の説明で二三植物標本を見た。樺太の日露国境の辺で採収して新に命名された紫のサカイツヽジ、其名は久しく聞いて居た冬虫夏草、木の髄を腐らす猿の腰かけ等。それから某君によりて昆虫の標本を示され、美しい蝶、命短い蜉蝣の生活等につき面白い話を聞いた。楡の蔭うつ大学の芝生、アカシヤの茂る大道の並木、北海道の京都札幌は好い都府である。
余等は其日の夜汽車で札幌を立ち、あくる一日を二たび大沼公園の小雨に遊び暮らし、其夜函館に往って、また梅が香丸で北海道に惜しい別れを告げた。
津軽
青森に一夜明して、十月六日の朝弘前に往った。
津軽は今林檎王国の栄華時代である。弘前の城下町を通ると、ケラを被て目かご背負うた津軽女も、草履はいて炭馬をひいた津軽男も、林檎喰い/\歩いて居る。代官町の大一と云う店で、東京に二箱仕出す。奥深い店は、林檎と、箱と、巨鋸屑と、荷造りする男女で一ぱいであった。
古い士族町、新しい商業町、場末のボロ町を通って、岩木川を渡り、城北三里板柳村の方へ向うた。まだ雪を見ぬ岩木山は、十月の朝日に桔梗の花の色をして居る。