Classiques japonais avec furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans
今朝鮮に居る義兄と、余は同車して唐崎の松に往った。彼は夫婦仲好の呪と云って誰でも探すと笑いつゝ、松に攀じ上り、松葉の二対四本一頭に括り合わされたのを探し出してくれた。それから車で大津に帰り、小蒸汽で石山に往って、水際の宿で鰉と蜆の馳走になり、相乗車で義仲寺に立寄って宿に帰った。秋雨の降ったり止んだり淋しい日であった。
斯様な事を彼が妹なる妻に話す間に、小蒸汽は汽笛を鳴らしつゝ湖水を滑べって、何時見ても好い水から湧いて出た様な膳所の城を掠め、川となるべく流れ出した湖の水と共に鉄橋をくゞり、瀬田の長橋を潜り、石山の埠頭に着いた。
手荷物を水畔の宿に預けて、石山の石に靴や下駄の音をさせつゝ、余等は石を拾い、紅葉を拾いつゝ、石山寺に詣った。うど闇い内陣の宝物も見た。源氏之間は嘘でも本当にして置きたい様な処であった。余等は更に観月堂に上った。川を隔てゝ薄桃色に禿げた※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)冠山を眺め、湖水の括れて川となるあたりに三上山の蜈蚣が這い渡る様な瀬田の橋を眺め、月の時を思うて良久しく立去りかねた。
秋の日は用捨なく傾いた。今夜は宇治ときめたので、余等は山を下ると、川畔の宿にも憩わず、車を雇うた。