Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans
「ぷく、ぷく、ぷく」
とたんに、その怪物は、うなった。そうして千二の体を、細い紐みたいなもので、ぎゅっとしめつけた。その力の強いことといったら……。
「うむ、苦しい」
千二少年は、遂にたえきれなくなって、悲鳴をあげた。怪物は、妙な手ざわりの紐で、千二の体をぎゅうぎゅうしめつけるのであった。そのうちに息が止りそうになった。
「ああっ!」
もうだめだと思った。天狗岩の上で、変な怪物にしめ殺されてしまうんだと、覚悟しなければならなかった。そのとき千二の瞼の裏に、わが家に、彼の帰りを待っている父親千蔵の顔が、ぼうっと浮かんだ。
「あ、お父さん」
すると、父親千蔵の顔が、にやりと笑って、
「おい千二。負けちゃならねえぞ。かまうことはない。そのけだものを、水の中にひきずりこめよ。お前の得意の水練で、相手をやっちまうんだな」
と、千二をはげました。きっとそれは、人間が息たえだえになる時に、必ず見る幻であったと思うが、また同時に、孝心ぶかい千二に対し、神が助けの手をのべさせたもうたものと思われた。
「よし、負けるものか」
千二は、勇気百倍した。そうして力いっぱい相手をつきとばした。