Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans
一体、どうしたんだろう。
博士の姿は、もう室内に無かった。
「課長、追いかけて、あの老人の襟首をつかまえて、連れもどして来ましょうか」
「いや、それにはおよばない」
「じゃあ、追跡しましょうか」
「いや、それも必要ないよ」
と言って、課長は、衝立のかげから、ゆったりと姿をあらわし、自席へ帰って行く。
「なんだか、さっぱりわけがわかりませんなあ。課長さえよければそれでいいんですが、みすみす、庁内の現行犯のどろぼうを逃してしまうなんて、一体どういうわけなんですか」
課長は、別に、それに対して返事はしないで、
「おい、どうした。まだ、佐々は、帰って来ないのかね」
と、佐々刑事のことをたずねた。
「佐々なら、もう、こっちへ帰って来るはずですが……」
と、掛長が、席から立って来た。そうして課長に向かい、
「あの博士は、とうとうあれを持って行ったようですね」
と言えば、課長は軽くうなずいた。
そこへ、戸口が大きな音と共にあいて、佐々刑事がとびこんで来た。
「課長、帰って来ました。ところで、今、蟻田博士にすれちがったのですが、あの博士の様子が、いやにへんなんですがねえ」
「佐々。