Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans
課長は、ひとりごとを言うと、腕を組んで考えこんだ。
「ねえ、課長さん。あの博士は、変なんですよ。変な人の言うことを、本気になって考えていると、こっちもまた変になってしまいますよ」
佐々という、年の若い、顔の赤い元気な刑事が、課長の後へ来て、なだめるように言った。
「うむ、博士は変かもしれないとは思っていたが、それにしても、今の言葉は、変に気になる言葉じゃないか」
「なあに、気にするからいけないのですよ。あんなことを、なにも考えることはありませんよ。僕だって、変なことなら、なんでも言えますよ」
「ほう、言えるかね」
「言えますとも。たとえば、猫がピストルを握って、人を殺したぜ。いや、今日、僕の前をラジオが通りかかったので、右手で掴まえたよ。どうです、こんなことなら、いくらでも言えますよ」
佐々刑事は、口から出まかせを言う。
だが、課長は笑いもせずに言った。
「いや、博士の言った謎は、そんなふざけたものとはちがうようだ。もっと、ほんとうのことがはいっている。これは、明日までに、よく考えて見ることにしよう」
蟻田老博士が、かえりぎわに、なげつけていった謎の言葉を、大江山課長は、その夜も大いに考えた。