Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans
しかし今度は、もうしゅうしゅうと音はしない。丸木が、千二のはいった袋を肩にかけて、歩き出したと思われる。
丸木は、どんどん歩きつづけた。
「丸木さん、汽車に乗っていかないの」
千二は、袋の中から声をかけた。
「汽車?」
丸木は、ちょっと言葉を切って、
「汽車なんかをつかうより、歩いた方が早いや」
「うそばっかり」
千二は、丸木が、汽車より早く歩けると言ったので、うそつきだと思った。
しかし、これは後に、千二の考えちがいだったことがわかった。いや、妙な話である。たいへんな話である。
袋の中にゆられながら、千二は、その間に、これまでのことをふりかえってみた。するといろいろと腑におちないことが、たくさん出て来た。
中でも千二にとって不思議でたまらないのは、この丸木が、いつの間にか千二の名を知っていたことである。千二は、まだ一度も彼の名前を名乗らなかったし、服のどこにも名前は書いてないのだ。
丸木というこのおじさんは、考えれば考えるほど、うす気味の悪いおじさんだ。
「ここには火星の生物がいるのだ」と、驚きもせずに言ったのも、丸木だった。
千二を袋の中に入れ、それをかついで走る丸木という人物は、考えれば考えるほど、腑に落ちないところのある人物だ。