Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lisez 火星兵団 (かせいへいだん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 307 889 caractères · 618 écrans
丸木の歩調が、少しばかり遅くなった。彼はしきりに、いろいろなものを売っている店先に、目を向けている。そこには、美しく飾られた飾窓をのぞきこんでいる人もあれば、中で何か買物をしている人も見える。
「ああ、金だ、金だ」
丸木は、時々ひとりごとを言った。
そのうちに、丸木はぴったりと足を止めた。
「どうしたの、丸木さん」
「しっ、だまっておれと言うのに……」
この時丸木の目は、大きな鞄店の中で、りっぱなハンドバッグをたくさん前に並べ、どれを買おうかと、しきりに見ている一人の年の若い、洋装の女の上に釘づけになっていた。
やがて、その洋装の女は、中で一番りっぱな鰐革のハンドバッグを買った。その時かの女は、抱えていた白い蛇の革のハンドバッグの中から、たくさんの紙幣をつかみだして、店員に支払った。
「ああ金だ。たくさん金を持っている」
丸木は、またうなった、そうして、買物をして出ていくその洋装女の後姿をふりかえって、じっとみつめていたが、
「おい千二。ここで待っていてくれ」
と言った。
丸木は、千二に向かって、ここに待っていてくれと言うのだ。
「ああ、待っていますよ」
千二は、ひょっとすると、この間に、丸木の手から逃出すことが出来はしないかと思ったので、そう返事をした。