Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans

Aozora Bunko

彼女の肉体は熟り、真白の皮膚は硬く張り切り、ぽったりした頬は林檎のように紅かった。

銀子の父親はちょうどその時分、やくざの世渡りを清算し、同じやくざ仲間で、いくらか目先の見える男が、東京で製靴の仕事で、時代の新しい生活を切り開き、露助向けの靴の輸出を盛大にやっていたのを手寄り、そこでその仕事をおぼえ、田舎へ帰って小さな店をもっていた。同じ真綿工場の持主であった彼の嫂は、不断銀子の母親の働きぶりを見ていたので、その眼鏡にい、彼を落ち着かせるために、彼女を娶せた。

しかしこの結婚も甘美とは行かず、半年もたたぬうちに彼の前生活について、そっちこちで悪い噂が耳に入り、そのうち放浪時代から付き絡っていた、茨城生まれの情婦が現われたりして、彼女が十年働いて溜めた貯金も、あらかたその手切れに引き取されてしまった。彼女は一度は目が覚め、別れようと決心したが、その時はすでに遅く、銀子が腹へ出来ていた。

銀子がこの世の光に目を開いてから五月目に、彼はまた店を仕舞い、妻子をつれて上京し、柳橋に知合いの株屋があったので、そこの二階で行李を釈き、九段の輸出商会へと通いはじめた。