Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans

Aozora Bunko

た。

しばらくすると、銀子のむっちりした愛らしい指に、サハイヤやオパルの指環が、にわかに光り出し、錦紗の着物も幾枚か殖えた。座敷がかかっても、気の向かない時は勝手に断わり、親爺に酌をさせられるのがいやさに、映画館でたっぷり時間を潰したりしたが、ある時は子供を折檻するように蒲団にくるくる捲かれて、酒を呑んでいる傍に転がされたりした。

そのころになると、銀子と栗栖の距離も、だんだん近くなり、マダムを見舞った帰りなどに、一緒に映画を見に入ることもあり、お茶を呑むこともあった。映画は無声で、イタリイの伝記物などが多く、ドイツ物もあった。栗栖はドイツ物のタイトルを読むのが敏く、詳しい説明をして聞かせるのだったが、映画に限らず、この若いドクトルの知識と趣味は驚くほど広く、油絵も描けば小説も作るのであった。

病院でも文学青年が幾人かおり、寄ると触ると外国の作品や現代日本の作家の批評をしたり、めいめい作品を持ち寄ったりもして、熱をあげていた。

「お銀ちゃん栗栖君を何と思ってるんだい。あれはなかなか偉いんだよ。小説を書かせたって、このごろの駈出しの作家跣足だぜ。」

同僚のあるものは蔭で言っていたが、それも盲目の銀子に栗栖の価値を知らせるためだったが、銀子は一般の芸者並みに客として見る場合、男性はやはり一つの異性的存在で、細かい