Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
「すぐ帰って来るけれど、君はどうする。よかったら待っていたまえ。」
栗栖は仕度を調え、部屋を出ようとして、優しく言った。
「私も帰るわ。」
そう言って一緒に外へ出たが、銀子は一丁ばかり黙ってついて来て、寂しいところへ来た時別れてしまった。
栗栖から離れると、銀子の心はにわかに崩折れ、とぼとぼと元の道を歩いたのが、栗栖の門の前まで来ると、薄暗いところに茶の角袖の外套に、鳥打をかぶった親爺の磯貝が立っているのに出逢い、はっとしたが、彼はつかつかと寄って来て、いきなり腕の痺れるほどしっかり掴み、物もいわずにぐいぐい引っ張って行くので、銀子も力一杯に振り釈き、すたすたと駈け出して裏通りづたいに家へ帰って来た。
銀子は少し我慢さえすれば、親爺は何でも言うことを聞いてくれ、小遣いもつかえば映画も見て、わがままなその日が送れるので、うかうかと昼の時間を暮らすこともあり、あまり収入のよくない朋輩に、大束に小遣いをやってみたり、少し気分がわるいと見ると、座敷を勝手に断わらせもした。銀子は狡いところもないので、親爺も大概のことは大目に見て、帳面をさせてみたり、金の出入りを任せたりしていたので、銀子も主婦気取りで、簿記台に坐りこみ、帳合いをしてみることもあった。