Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans

Aozora Bunko

「誰もいないの。」

「お母さんは巣鴨の刺ぬき地蔵へ行った。お御符でも貰って来るんだろう。」

父親はそう言って仕事場を離れ、火鉢の傍へ上がって来た。

「時ちゃんや光ちゃんは?」

「時ちゃんたちは、小山の叔母さんとこへ通ってる。あすこも大きくしたでね。」

小山の叔母さんというのは、母親が十三までかかっていた本家の娘の市子のことであった。市子はその時分日蔭者の母親が羨ましがったほど幸福ではなく、縁づいた亭主に死なれ、姑との折合いがわるくて、実家へ帰ったが、実家もすでに兄夫婦親子の世界で居辛く、東京へ出て銀子の柳原の家に落ち着き、渋皮のむけた色白の、柄が悪くなかったので、下町の料亭などに働き、女中頭も勤めて貯金も出来たところで、銀子の家と近所付き合いの小山へ縁づいたのであった。小山は日本橋のデパアト納めの子供服を専門に引き受けた。

「珍しいな。お前が出て来るなんて。どうだ変わったこともないか。」

父親はそう言ってお茶をいれ、茶箪笥をあけて、小皿にあった飴を出した。

「あの人たちも働いてるな。」

銀子は思った。芸者も辛いが、だらしない日々を送り、体に楽をしているのはすまないような気持だった。