Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
「そう気を腐らしてばかりいても仕方がないから、ここで一つ思い切って置き家を一軒出してみたらどうかね。」
母が言うので銀子もその気になり、いくらかの手持と母の臍繰りとを纏めて株を買い、思ってもみなかったこの商売に取りついたのだった。銀子の気象と働きぶりを知っているものは、少し頭を下げて行きさえすれば、金はいくらでも融通してくれる人もあり、その中には出先の女中で、小金を溜めているものもあり、このなかで金を廻して、安くない利子で腹を肥やしているものもあったが、ともすると弱いものいじめもしかねないことも知っているので、たといどんな屋台骨でも、人に縋りたくはなかった。ともかく当分自前で稼ぐことにして路次に一軒を借り、お袋や妹に手伝ってもらって、披露目をした。案じるほどのこともなく、みんなが声援してくれた。
「ああ、その方がいいよ。」
見番の役員もそう言って悦んでくれ、銀子も気乗りがした。
「大体あんたは安本を出て、家をもった時に始めるべきだった。多分始める下工作だろうと思っていたら、いつの間にかあすこを引き払ってアパートへ移ったというから、つまらないことをしたものだと思っていたよ。