Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
手狭なものであった。下は大門通りに店をもっている母屋の下駄屋と共通の台所が、板壁一枚で仕切られ、四畳半の上がり口と台所の間にある廊下に狭い段梯子がその四畳半のうしろで曲がっており、それを上がったところに、六畳と三畳があり、下は親子三人に小僧一人の下駄屋の住居という、切り詰め方で、許可地以外に喰み出ることを許されない盛り場としてはそこへ割り込むのも容易ではなかった。
春よしというこの小さい置家も、元は土地の顔役の経営に係るある大看板の分れで、最近まで分け看板の名で営業していたのだったが、方々流浪した果てに、やっとここに落ち着くことになったお神の芳村民子の山勘なやり口が、何か本家との間に事件を起こし、機嫌を害ねたところから、看板を取りあげられ、今の春よしを新規に名乗ることになったので、土地では新看板であり、お神専用の二階と下の廊下と別々に、二本の電話がひいてあり、家は小さくても、表を花やかに虚栄を張っていた。
一軒の主となった今、銀子は時々このお神のことが想い出され、大阪へ落ちて行ったとばかりで、消息も知れない彼女のそのころの、放漫なやり口の機関がやっと解るような気がするのだったが、分けや丸、半玉と十余人の抱えの稼ぎからあがる一万もの月々の収入も身につかず、辣腕を揮いつくした果てに、負債で首がまわらず、夜逃げ