Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
「こちら先生のご近所よ。それにお国も同じだわね。」
小夜子はそう言って紹介した。
「はは。」
庸三は笑っていたが、後にはだんだんそのロマンチックな身のうえや、竹を割ったようにさっぱりした気性も呑みこめて来た。新橋にいたころの同じ家の抱えだということ、ある有名な経済学の教授の屋敷の小間使をしているうちに、若さんと恋愛に陥り、その青年が地方の高等学校へ行くことになってから、そこを出て新橋で芸者になったこと、青年がやっとのこと捜しあてて来て、さらに新らしい魅力に惹かされ、学校を出て結婚してからも、ひそやかな蔭の愛人として、関係の続いていることなど、古い通俗小説めいた過去も解るようになった。それに瀟洒な洗い髪の束髪などで、セッタ種の犬を片手に抱きながら、浴衣がけで通りを歩いているのにも、時々出逢ったりして、この界隈では相当評判の美形だことも知るようになったし、花や麻雀が道楽で、そうした遊びにかけては優れた頭脳の持主であると同時に、やり口がいつも鮮やかすぎて、綺麗な負け方ばかりしているのにも感心させられた。小夜子とちがってどの道彼女は生活者ではなかった。
「一戦どう。