Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans

Aozora Bunko

電話は段梯子をおりた処の、ちょっと入りこんだ薄暗い蒲団部屋の外側の壁にあった。葉子も降りて来て傍で監視した。葉村氏はいなかったが、社会部の主任らしい人がやがて出て来たところが、庸三はあの記事が自分の本意でないことを訴えた。

「葉村君は私の気持を少し好意的に酌みすぎたんですよ。あれじゃ全然葉子を叩き潰すようなもので、私も寝醒めが悪くて仕様がありませんから。一つ取り消していただきたいと思って……。」

「そうですかね。しかし取消しはどうですかね。社の方でもよくよくの間違いでもなければ、一度出したものは取り消しはしないことになっているんですがね。あれはあれでいいじゃありませんか。」

「いや、困るんです。葉子よりも僕の立場がなくなるんで。」

しばらく話が入り乱れたが、傍に葉子が耳を苛々させているので、庸三も少し逆上気味になっていた。それに電話が遠くなって、何か雑音が混じり込んだりしたので、急所がはっきりしかねた。やがて庸三は受話機を措いた。そして、廊下の端に誰か立聴きしているのに気がつくと、急いで二階へ上がった。

「駄目。」

庸三は投げ出すように言った。

葉子が黒須を動かして、彼の知っている、その新聞社の上層部の好意で、特別に記事の訂正かたがた葉子のために記事の載せられたのは、それから間もなくであった。