Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
もちろん座敷摺れのしないお酌のうちから仕切って面倒を見たり、一本になりたてを、派手な落籍祝いをして落籍したり、見栄ばった札びらの切り方をするのは、大抵近郊の地主とか、株屋であり、最近では鉄成金であり、重工業関係の人たちであったが、それも時局情勢の進展につれてようやく下火になって来た。
均平はこの世界以外の少し晴々した場所で遊んだ習慣があり、待合の狭苦しい部屋に気詰りを感じ、持前の放浪癖も手伝って、時々場所をかえては気分を紛らせるのであった。それには彼女も体の自由な看板借りであり、何かというと用事をつけて、出歩くのであった。銀子が今度出たときからお馴染になった、赤羽辺の大地主や、王子辺のある婦人科の病院長の噂をして聞かせるのは、大抵話の種のない均平とそんな処で寛ぎながら飯を食っている時のことで、下町にいたころのこと、震災後避難民として、田舎へ行っていて、東京から追いかけて来た男に売られた話も、断片的に面白可笑しく語られた。抱え主の親爺の話もちょいちょい均平の耳へ入った。ある点は誇張であり、ある点はナイブな彼女の頭脳で仕組まれた虚構であった。無論それも彼女のお座敷の戦法であり、映画で見たり物の本で読んだりしたことが、種になっているものらしかった。