Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Lisez 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 183 656 caractères · 363 écrans
(三)
とある。いわゆるハイカラなるものは、どこへ廻っても余計に金の要ることと察せられた。店先に張子の大きい達磨を置いて、その片眼を白くしてあるのは、なにか願掛けでもしたのかと訊いたが、主人も職人も笑って答えなかった。楽隊の声が遠くきこえる。また例の活動写真の広告らしい。
理髪店を出ると、もう八時をすぎていた。露の多い夜気は冷やびやと肌にしみて、水に落ちる家々の灯かげは白くながれている。空には小さい星が降るかと思うばかりに一面にきらめいていた。
宿に帰って入浴、九時を合図に寝床にはいると、廊下で、「按摩は如何さま」という声がきこえた。
(三)
二十八日。例に依って六時入浴。今朝は湯加減が殊によろしいように思われて身神爽快。天気もまたよい。朝飯もすみ、新聞もよみ終って、ふらりと宿を出た。
月末に近づいたせいか、この頃は帰る人が一日増しに多くなった。大仁行きの馬車は家々の客を運んでゆく。赤とんぼが乱れ飛んで、冷たい秋の風は馬のたてがみを吹き、人の袂を吹いている。宿の女どもは門に立ち、または途中まで見送って、「御機嫌よろしゅう……来年もどうぞ」などと口々に云っている。