Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

Lisez 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 183 656 caractères · 363 écrans

Aozora Bunko

そこで、毎年欲張って二十種ないし三十種の種をまいて、庭一面を藪のようにしているのであるが、それでは藪蚊の棲み家を作るおそれがあるので、今年はあまり多くを蒔かないことにした。それでも糸瓜と百日草だけは必ず栽えようと思っている。

わたしは昔の人間であるせいか、西洋種の草花はあまり好まない。チューリップ、カンナ、ダリアのたぐいも多少は栽えるが、それに広い地面を分譲しようとは思わない。日本の草花でも優しげな、なよなよしたものは面白くない。桔梗や女郎花のたぐいは余り愛らしくない。わたしの最も愛するのは、糸瓜と百日草と薄、それに次いでは日まわりと鶏頭である。

こう列べたら、大抵の園芸家は大きな声で笑い出すであろう。岡本綺堂という奴はよくよくの素人で、とてもお話にはならないと相場を決められてしまうに相違ない。わたしもそれは万々承知しているが、心にもない嘘をつくわけには行かないから、正直に告白するのである。まあ、笑わないで聴いて貰いたい。

まず第一には糸瓜である。私はむかしから糸瓜をおもしろいものとして眺めていたが、自分の庭に栽えるようになったのは十年以来のことで、震災以後、大久保百人町に仮住居をしている当時、庭のあき地を利用して、唐蜀黍の畑を作り、糸瓜の棚を作った。