Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lisez 黒田如水 (くろだじょすい) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 639 caractères · 325 écrans
おのれはそれを奪りに来た者か」
と、官兵衛の足くびを掴んで、力まかせに引き戻した。
善助は太刀を揮って、片手撲りにうしろの敵を斬った。その武者の絶叫は、返り血とともに、善助の面を打ったが、敵が勢いよく仆れるのと一緒に、官兵衛の体も善助の背を離れて、諸倒れに大地へ転んでいた。
「殿を。殿を。――善助、殿だけを」
敵の中から叫んでいるのは味方の母里太兵衛なのだ。その姿も見えないほどな数の中に没して彼は善戦に努めていたが、ただ主人官兵衛の身だけがうしろの気懸りであるらしかった。
しかしこの時、忘れていた盟友たちの声がどこともなく聞えた。藤田甚兵衛、後藤右衛門、長田三助などの面々にちがいない。
「善助ここか」
「来たぞ、太兵衛」
戦友を力づけて、喚くや否、ほとんど、わき目もふらぬ姿で、荒木勢の中へ突込んで来たのである。
槍は飛ぶ。陣刀は折れる。噛みつく。撲り合う。
荒木勢とはいえ、あの村重の家臣とはいえ、ここまで籠城を堅持し、「城と共に」の義を捨てなかった者だけに、いわば粒選りの剛の者どもであった。
一味の助勢が加わっても、彼はまだ屈しない。せめて黒田官兵衛の首をみやげとして、最期の華を飾ろうとするかのような猛戦力を発して来る。