Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

Lisez 黒田如水 (くろだじょすい) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 639 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

「いかぬのは、何が、いかぬのでございますか」

「さればよ。今以て、ふと、うつろになると、半兵衛重治の面影が、忘れ難のうて困る。愚痴には似るが――重治あらばと、身の智慧なさが、嘆かれるのじゃ」

「はて。煩悩な」

「まったく、わしは煩悩だな」

「いや、そう仰っしゃりつつ、一面、この官兵衛に、何ぞ無策なる、はや良計を出しそうなものとの、ご叱咤ではございませぬか」

「はははは。そう取ってもさしつかえない」

二人は哄笑した。実際、半兵衛重治を失ってからの秀吉は、一時ぼんやりしていた。女々しいほど、何かにつけて半兵衛の思い出をよく語るのである。まして、ある折には、こうまでにいった。

(彼の死を見たことは、この筑前にとって、たとえば蜀が孔明を亡くしたよりも大きな悲しみだろう)と。

――そう聞く度に官兵衛は、死んだ友がねたましくさえあった。かくまで良臣を愛慕する秀吉の情に打たれながら、一面には、重治の信望がそれほどまで厚かったかを思うのであった。

(片腕をなくして落胆している主の為に、これから自分が両腕ともならなければならない)

と彼は密かに誓うのであったが、それは余りに気負い過ぎているようで口には出せないものだった。