Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
「陸軍御用達」と一間あまりの大看板、その他看板二三枚、入り口の三方にかけつらねたる家の玄関先より往来にかけて粗製毛布防寒服ようのもの山と積みつつ、番頭らしきが若者五六人をさしずして荷造りに忙しき所に、客を送りてそそくさと奥より出で来し五十あまりの爺、額やや禿げて目じりたれ左眼の下にしたたかな赤黒子あるが、何か番頭にいいつけ終わりて、入らんとしつつたちまち門外を上手に過ぎ行く車を目がけ
「田崎君……田崎君」
呼ぶ声の耳に入らざりしか、そのままに過ぎ行くを、若者して呼び戻さすれば、車は門に帰りぬ。車上の客は五十あまり、色赤黒く、頬ひげ少しは白きもまじり、黒紬の羽織に新しからぬ同じ色の中山帽をいただき蹴込みに中形の鞄を載せたり。呼び戻されてけげんの顔は、玄関に立ちし主人を見るより驚きにかわりて、帽を脱ぎつつ
「山木さんじゃないか」
「田崎君、珍しいね。いったいいつ来たンです?」
「この汽車で帰京るつもりで」と田崎は車をおり、筵繩なんど取り散らしたる間を縫いて玄関に寄りぬ。
「帰京? どこにいつおいでなので?」
「はあ、つい先日佐世保に行って、今帰途です」
「佐世保? 武男さん――旦那のお見舞?」