Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
三の一
実はこのごろまでもまさかと信じ切っていた。しかし全く君のために売られたのだ、わが輩を売るのは一個人の事だが、君はまだその上に――いやいうまい、三千円の費途は聞くまい。しかし今までのよしみに一言いって置くが、人の耳目は早いものだ、君は目をつけられているぞ、軍人の体面に関するような事をしたもうな。君たちは金より貴いものはないのだから、言ったってしかたはあるまいが、ちっとあ恥を知りたまえ。じゃもう会うまい。三千円はあらためて君にくれる」
厳然として言い放ちつつ武男は膝の前なる証書をとってずたずたに引き裂き棄てつ。つと立ち上がって次の間に出でし勢いに、さっきよりここに隠れて聞きおりしと覚しき女お豊を煽り倒しつ。「あれえ」という声をあとに足音荒く玄関の方に出で去りたり。
あっけにとられし山木と千々岩と顔見あわしつ。「相変わらず坊っちゃまだね。しかし千々岩さん、絶交料三千円は随分いいもうけをしたぜ」
落ち散りたる証書の片々を見つめ、千々岩は黙然として唇をかみぬ。
三の一
二月初旬ふと引きこみし風邪の、ひとたびはりしを、ある夜姑の胴着を仕上ぐるとて急ぐままに夜ふかししより再びひき返して、今日二月の十五日というに浪子はいまだ床あぐるまで快きを覚えざるなり。