Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate
五の二
老婦人もその和らかなる眼光に浪子を包みつつ
「私もも少し逗留して、お話もいたしましょうし、ごあんばいのいいのを見て帰りたいのでございますが――」
言いつつ懐中より小形の本を取り出し、
「これは聖書ですがね。まだごらんになったことはございますまい」
浪子はいまださる書を読まざるなり。彼女が継母は、その英国に留学しつる間は、信徒として知られけるが、帰朝の日その信仰とその聖書をば挙げてその古靴及び反故とともにロンドンの仮寓にのこし来たれるなり。
「はい、まだ拝見いたした事はございませんが」
幾はなお立ち去りかねて、老婦人が手中の書を、目を円にしてうちまもりぬ。手品の種はかのうちに、と思えるなるべし。
「これからその何でございますよ、御気分のよろしい時分に、読んでごらんになりましたら、きっとおためになることがあろうと思いますよ。私も今少し逗留していますと、いろいろお話もいたすのですが――今日はお告別に私がこの書を読むようになりましたその来歴をね、お話ししたいと思いますが。あなたお疲れはなさいませんか。何なら御遠慮なくおやすみなすッて」
しみじみと耳傾けし浪子は顔を上げつ。